腰痛・股関節の症例01 重いものを持とうとして腰が痛くなった例

患者

30代 女性

症状

5日前に職場で重いものを持とうとしてから腰が痛くなった。

痛みは強く、寝返りと後屈(立って腰を伸ばす動き)ができず、座っていても痛い。

さらにかばって生活していたせいか、背中まで痛くなってきた。

施術内容

1回目

「重いものを持とうと腰を屈めた時」

「腰を伸ばせない」

という2つの動きに注目し、うつ伏せで足にある2つのツボを使いたいところだが、そもそもうつ伏せの姿勢が厳しい状況なので、活法の”揺り戻し”という技を使った後、股関節に関わりの深いツボに1本鍼を打つと、なんとかうつ伏せになれる状態になれた。

うつ伏せで先の2つの動きに対応するツボに鍼をすると、来院時に比べて痛みが半分くらいになる。
立ち上がって身体を後ろに反らすとまだ痛みはあるが、この時の痛みも確実に減っていた。

2回目

前回から1日あけて来院。

痛みは減っているが、立ち上がり時の腰痛と、寝返りをうつと腰が痛くて目が醒めることが気になった。

こういった「どんな時に痛いのか」の情報がとても重要で、ここがはっきりしているほど効果も上がりやすい。

今回は、立ち上がり時の腰痛に効くツボに鍼をして、その後、腰全体の調整を活法で行うと、腰痛が完全に消失した。

また、腰痛の消失に伴い、背中の痛みも気にならなくなった。

考察

痛みが強くとも、「どんな時に痛むか」がしっかり把握できれば治療効果が出る。

今回の例のように「痛い部位をかばっていて痛くなった」ケースでは、最初に痛くなった部位が治れば、自然と解消するケースが多い。

また、痛い部位である腰には1本も鍼を使うことはありません。

痛い部位に直接鍼を打つ行為は、どうしても患者さんへの負担が大きいもの。

当院では患者さんにとって極力負担の少ない施術を心掛けている。