僕が鍼治療の前に、確認していること。

      2017/03/11

痛みの質問

ここで質問です

①「痛いところはどこですか?」

②「今一番痛いところはどこですか?」

この質問の違いはなんでしょう?

2種類の質問は、似ているようでちょっと種類が異なりますよね。

①の場合、痛い場所は「肩と腰、それから首も…」と複数出て来る場合が多いです。
②の場合だと、「肩…ですかね」と一カ所に絞られます。

なにが言いたいかと言うと、痛い場所には必ず優先順位が存在する、ということです。

 

例えばこんな時

例えば、頭痛の時は普段抱えている腰痛はあまり感じなくなることが多いです。

同じように、足の小指をぶつけて悶絶している時は、口内炎の痛みなどしばらく飛んでいったりしますよね。

これは人間の持っている機能、広汎性侵害抑制調節(DNIC:diffuse noxious inhibitory control)の為せる技です。
(名前が長いのでDNICと呼びます。ちなみに学生の時の教科書には確か載ってませんでしたが、現在は載っている模様です)

これがなかったら、先の例では頭痛と腰痛の同時攻撃で起きていられなくなります。
足の小指の痛みに口内炎の痛みがプラスされたら、自分なら発狂するでしょう。

実際の治療の現場ではこんな形で出てきます。

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と、痛いところを追いかける形になってしまいます。

 

診る=視る

これを防ぐ為に、治療前に姿勢を必ず確認させて頂いています。

上のケースであれば、初めから肩と腰を同時に治療していれば防げることになります。

自身の師匠には、患者が玄関から入ってきた時からが勝負だとよく教わりました。

歩く時にどちらの足が上がってないか、まっすぐ足は運べているか…等々。

また、問診している最中の動き、姿勢はやはりみています。

じっと見られていると自然な動きができないものなので、少し離れた位置から観察させていただいてます。

 

自分の体は自分が一番わかるもの?

「自分の体は自分でわかるもの」

特に男性はこう思ってみえる方が多いですね。

僕自身もそう思っている時期がありましたが、いろんな治療を受けるうちに、今ではそんな自信はすっかりなくなりました。

例えば、首の症状がある方であれば、まず最初にベットに腰掛けていただいて左右に首を動かしてもらいます。

ほとんどの方が、左右どちらかが向きにくいものですが、そのことを予め自覚されている方は稀です。

また同じように、ほとんどの方が歩幅に差があります。

当院は入り口からベットまで最低10歩は歩いてもらう構造なので、その間を(バレないように)ひっそり観察していますね。

多くの場合、歩幅に差があることがほとんどなので、『どちらの足が動かしにくいんだろう?』と考えることができます。

そしてもちろん、治療後にどう変化したのかもチェックしています。

ほとんどの患者さんは歩幅のことより他の症状で苦しんでみえることが多いので、このあたりの話はあまりしません。

(昔、美容院で髪の相談をしたかったのにひたすら眉毛の話をされ、不完全燃焼な気持ちになった記憶が反映されています)

 

自分しか知らない・・?

自分しか知らないことを言い当てられると驚きますよね。

これらは決してあてずっぽうではありません。

僕らは患者さんの生活を直接見たりすることはできないので、治療前の問診の時の仕草や移動の際の歩き方をひっそり観察することで(ひょっとしてこの人、ここが痛いんじゃないかな?)という予測をし、確認の意味で聞いてみることが多いです。

頬杖をつくことが多ければ歯ぎしりや顎関節症を疑い、歩幅に左右差があれば歩きにくそうな方の股関節に注目、椅子に座った時にその足を上にして組んでいるのを確認してから

「こちらの腰〜股関節が痛くないですか?」

という質問をします。

僕らからすれば、ヒントをたくさんもらって回答に辿りついているのですが、患者さんはいきなり当てられて驚く・・・

舞台裏はこんな風になっています。

こうすることによって、患者さん自身も気づかないような症状を把握し、先述のDNICがなるべく起きないよう治療しています。

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