僕はザオリクを唱えられない

   

10年前のある日のこと。

頭痛がするといって叔母は病院に行きました。

検査もなく、頭痛薬をもらっただけで帰宅。

甥の僕にはどこまでも優しい叔母でしたが、翌日にはクモ膜下出血が起きて助かりませんでした。

#クモ膜下出血は頭部の血管が破れる病気で、致死率がとても高い病気です。

 

この記事で病院を叩こうとか、医療批判をしたいわけではありません。

鍼灸師になって1年目の自分に大きな影響を与えた出来事として、ネット上に残しておきたかったのです。

 

頭痛と鍼

鍼灸院に頭痛の患者さんは来ます。

それに対して脳内の様子を検査する方法はありません。

だから、大きな病気は潜んでない前提でやることになります。

 

頭痛が起きる危険な病気としては

  • 脳卒中
  • 脳腫瘍
  • クモ膜下出血

 

の3つが挙げられます。

この場では詳しい説明は省きますが、どれも命に関わります。

命に関わるので、ほとんどの場合「鍼へ行こうか」なんて気にならないレベルの頭痛・その他の症状が出ます。

 

つまり、頭痛で鍼灸院に来ている時点で危険な頭痛の可能性は限りなく低いと言えます。

 

・・・ゼロではないんですけどね。

 

本当にそうなのか?

本来、クモ膜下出血が起きると激しい頭痛がするものです。

ハンマーで殴られたような、と表現する場合もありまね。

 

が。

ごく稀れに、歩いて病院にこれちゃう人がいるんですね。


叔母もこのケース。

もしあの時叔母が

「頭痛がするから鍼へ行こう」

と僕のところへ来ていたらどうだったか?

 

10年前の僕は「心配だから病院を一度受診して」とは言えなかったかもしれません。

おそらくそのまま施術をしていたでしょう。

(誤解して欲しくないのですが、ほとんどの頭痛は緊張性頭痛といって筋肉の凝りからくるものです。)

 

 

生命は還らない

21世紀になっても死んだ人は蘇らないまま。

ならば死なないようにすることしかできません。

 

うちでは頭痛の患者さんにはまず一度病院へ受診するようにお願いしています。

ほとんどの場合、異常所見は見つかりません。

異常所見はない=頭痛の原因は首の筋肉に可能性が高い=鍼灸で治療可能

ということです。

 

これが確定してからが鍼治療のスタートとしています。

 

遠回りに思われるでしょうか?

クモ膜下出血になるのは5000人に1人です。

「万が一」よりも多いんですよね。

 

頭痛を初回で断るのは勇気が入りますよ。

患者さんも、普通は診てくれるもんだと思って来院しますからね。

ですが、世の中には取り返しがつかないことをあることを僕は知ってます。

 

慢性的な頭痛持ちでしばらく検査してしていない方、一度みてもらうと安心ですよ。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

 - 院長の話