機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシアとは特に胃に異変が認められないにも関わらず,胃もたれなどの症状か出る疾患です。
胃カメラなどで胃粘膜に異常が認められれば,胃炎などの病名がつきますが,そうでない場合が機能性ディスペプシアと呼ばれます。
ディスペプシアは消化不良の意味なので,特に原因が見当たらないのに起きる消化不良,という意味ですね。
英語名のFunctional Dyspepsiaの頭文字をとってFDと呼ばれています。
日本では健康診断を受診した人の11〜18%に認められる疾患です。
機能性ディスペプシアの原因は?
胃の運動機能異常,ヘリコバクター・ピロリ菌の感染,胃酸分泌過多など,様々な原因が考えられますが,特にコレといった確定的な原因はわかっていません。
当院では胃の運動,はたらきを正常する目的で鍼を行っています。
機能性ディスペプシアの診断は?
機能性ディスペプシアは炎症や腫瘍(ガン)がないことを確認して診断されますので,胃カメラの検査が必要になります。
当院でも来院前に検査をして頂くようお願いしています。
機能性ディスペプシアの症状
機能性ディスペプシアの症状は胃もたれ,胃の痛み,げっぷ,吐き気などです。
よく逆流性食道炎と混同されますが逆流性食道炎は主に胸焼けやノドの痛みが症状です。
また食欲が低下して痩せてしまったり,休職に追い込まれてしまう場合もあります。
機能性ディスペプシアはストレスが原因か?
難しいテーマですね。
ストレスは万病の元なので,ストレスが機能性ディスペプシアの原因の1つであることは間違いありませんが,それを証明する方法がありません。
なので,原因かどうかはわかりませんが,ストレスは減らすに限る,というなんとも中途半端な答えになってしまいます。
確かに機能性ディスペプシアの方を見ていると,猫背気味で呼吸の浅い方が多く見受けられます。
いきなりストレスをゼロにするのは難しいと思いますので,まず呼吸をゆっくり整えてストレスを減らしてみるのもいいでしょう。
機能性ディスペプシアは治るの?
もう何年も機能性ディスペプシアで悩んでいる,という方もみえます。
SNSで検索しても,悩んでいる人の投稿はあっても,治った人の投稿はあまり見つかりません。
治った人がいないのか,そもそも治ると投稿しなくなるのか分かりませんが,当院では症例を公開していますので,気になる方/ご自身と似たような症状をお探しの方はチェックしてみてください。
当院では5回の治療を1クールとして変化を感じて頂くことを目標としています。
鍼灸師と機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシアに対して鍼灸師ができることは,胃の働きを取り戻すことです。
胃もたれのあるのお腹は硬く冷えていることが多いです。
手や足のツボを使ってお腹の硬さをとっていきます。
施術中にお腹が鳴る,眠くなる,お腹の硬さが取れる,ということが回復のサインです。
機能性ディスペプシアは肩こり・腰痛のようにその場でわかる症状ではありませんが,このような傾向をみています。
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