DNM

鍼灸師がDNMを勉強した話 (後編)

マジで Go Toする5秒前

前回までのあらすじ

DNMに興味をもって書籍やDVDを買い,いよいよPV (プライベートレッスン)にいく決断をしました。

 

夢見る少女じゃいられない

悩んでばかりじゃいられない,夢見る少女じゃいられない!と意を決してプライベートレッスン(以後 PV)に申し込みました。

DNM JAPANの岩吉新先生とマンツーマンのレッスンです・・!

会場は東京の田園調布なので,新幹線で新横浜まで行き,そこから電車で30分の道のりです。

運良くGo Toキャンペーンの恩恵をうけ,

日帰りで名古屋⇄新横浜が通常21000円→キャンペーンで7000円のびっくり価格に。

政府もPV受講を後押ししてくれてるようです (違う)

 

PVとは

PVは全12回ですが,丸々12日間かかるわけではありません。

1回分が3.5時間で,都合が合えば1日で7時間(つまり2回分)を消化できます。

スケジュールが合えば,2日連続で合計4回分消化できたりするので,気合と時間的余裕があれば1ヶ月で修了できます。

(土日で4回分×3週の計算ですね)

自分も1ヶ月でコンプリートしましたよ。

 

田園調布は噂通りのハイソな地域で,バナナが1房350円で売ってるのが印象的でした。

バナナや葉巻のおっさんの話はおいといて,DNMの話をしましょう。

田園調布の坂を下ると

完成な住宅街に佇む,DNM LAB(会場)に到着です。

 

岩吉 新さんってどんな人?

受ける前にYouTubeやTwitterみてましたので,理論派の厳しい感じの方をイメージしてました。

DNM LABのサイトより。

緊張してインターホンを鳴らしましたが,登場したのは先入観を裏切る,優しく腰の低い方でした。

カインドネスの体現者って表現がピタリ。

Twitterではデヌモンとして活躍してみえますので,デヌモンさんと呼ばせて頂きます。

デヌモン

どのくらい腰が低いかというと,一度同じ電車に乗る機会があり,デヌモンさんが先に降りる流れだったのですが

お互い挨拶してペコリ。

ここまではよくあるお辞儀なんですが・・・

去り際の窓越しに再度ペコリ。日常の所作がら腰の低さがうかがえました。

ちなみに気づくのが遅れて,リアクション取り損ねてしまいました。その節はすみません(ペコッ)

 

IS THIS IT?

PVは理論→実技→理論・・・という流れなんですが,論文の引用も多数あり簡単ではありません。

難しいことをそのまま伝えるのは簡単で,難しいことを簡単に伝えるのは難しいですよね。

その点デヌモンさんは,

・わかりやすい補足

・難しいところは簡単に

1時間に1回以上のペースでギャグを交えて

すすめてくださるので,時に難解な理論の話も理解しやすいです。

気になる理論の内容ですが,神経,痛みの話はもちろん,ストレッチ・筋膜・腸内細菌と守備範囲はかなり広いです。

デヌモン
筋肉は神経のマリオネット
デヌモン
鏡の〜中のマリオネット♩
舟橋みきや
もつたれ糸をたちきって〜♪

とか

デヌモン
セラピストはカタリスト (Hip-Hop調に)
舟橋みきや
Yo!

ノリについていけない,元ネタがわからない時でも大丈夫です。

デヌモン
お゛ね゛がい゛じま゛ず〜
舟橋みきや
すんません,何のネタですか?
デヌモン
あ,これ半沢直樹です笑
舟橋みきや
実はみてないんです汗
デヌモン
そうなんですね笑,次いきましょか笑

という具合です。

とにかく,受講者合わせてバリエーションに富んだネタを出してくださいます。

 

手技の方は

まず神経の解剖学的理解をしてから

①やり方を理解

②実際に受ける

③可動域や痛みの変化を確認

④今度は自分がやってみる

⑤可動域や痛みの変化を確認

の流れです。

 

前回も書きましたが,手技はless is moreの言葉通り,必要最小限になっているので,覚えることはそこまで多くありません。

距離感や力の入り方などを手取り足取り教えてもらえるのも,PVならでは。

ギャグで和んだり,理論で納得したり,手技で寝落ちしそうになったり。

11時〜18時までで休憩は5分!!のスケジュールでしたが,楽しすぎて初日はあっという間に終わりました。

受ける前はIs This It?(これなのか?)

受けた後はThis Is It(これだ!)に変わりました。

PV中の雰囲気。理論はパワーポイントのスライド形式で説明。

この場所が受講者の指定席。

充実の本棚。

 

PV受講したことがある方はわかると思いますが,このテキストを作るのは凄まじい労力がかかっていると想像されます。

12日間で合計1756ページ以上のボリュームもさることながら,

順番がうまく作られていて,「?」ってなることがほとんどないんですよ。

まるで名アルバムのように構成が練られているので,長大ボリュームの内容もインプットしやすいと思います。

なんでもデヌモンさんが本国カナダで受けたPVを日本版にアレンジし,側臥位や顔面部の神経を大追加して,理論もわかりやすくしている,とのこと。

もともと操体法を取り組まれてたデヌモンさん。

「操体法は素晴らしいけど理論がない」

と悩んでいたところ,縁あってDNMの存在を知り,英語で頑張ってやりとりして理解→カナダに情熱渡航してPVを受け,

そこから数年間かけてこのテキストを完成させた,とのことです。

ーDNMという素晴らしいもの広めたいー

まさに情熱の結晶です。

押忍!ありがたく恩恵にあずかります(`・ω・´)!

 

実際に使ってみたよ

野球のルールを覚えるのも大事ですが,プロを目指すなら実践あるのみ!というわけで翌日からガンガン実践です。

2回分の内容でも対応できる症状はかなり広かったです。

脊髄神経後枝(頚部・胸部2つ・腰部)・臀部数種類・腸骨下腹・下肢の3つの神経
(2020年9月時点の内容です)

と盛り沢山。

この神経が

・どんな時に絞扼されて

・症状としてはどんなものが出るのか?

・影響をうける動作

がわかるので,患者さんの話を聞く→動きを確認→やること決定

の流れがスムーズです。

例えば,前屈みの作業後に腰が痛くなって

今は前屈も後屈も痛い

という情報だけである程度,上殿皮神経かな?とあたりがつけられます。

 

コンプリーターへ

鍼灸師にとってもDNMは導入しやすいもの,でした。

・(手技によっては)置鍼中にもおこなえる

・解剖学的な知識が生きる

・1回あたりの時間が最低3分と短い

ではDNMは万能なのでしょうか?

結論から言えば,万能ではありません。

どんな症状でも一瞬で治す!みたいな名人芸とは違います。

でも,

もし僕のように

その場で痛くない=治った 

でいいのか?

本当にそれを治療と呼んでいいのか?

という疑問を抱えているのなら,きっと応えてくれます。

 

PVレッスンの終盤に差し掛かると,手技や対応できる症状が増えていきます。

皮神経編でスキンストレッチを覚えると,ドラクエでいうところのベホイミと船が使えるようになったレベルで世界が広がります。

ですが

ニューロマトリックス理論を学ぶとそれもパーツの1つに過ぎないことがわかります。

12回のPVを終えて思うのは

徒手はアプローチ方法の1つでしかない。だけどとても重要,ということ。

神経を意識すると鍼の打ち方が変わる

患者さんへの説明も変わる。

よりロジカルに,明確に。

 

曖昧さを排した世界はシンプルで,心地よい。

自分のやっていることを今まで以上に言語化できると,気持ちいい。

そこから見える景色は,美しい。

 

・・・・

ごめん,美しいは言い過ぎました!

でも,こんなことスラスラ書きたくなるレベルで臨床が楽しくなるのは事実です。

悩んでいる方,神経系を学びたい方,患者さんの回復促進したい方にはDNMがオススメです!!

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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