院長の話

進撃の整動鍼(5) 院のかたち サイトのかたち

 

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前回までのあらすじ

整動鍼も導入し、グリーンノアの治療は格段にグレードアップ

しかし依然として好転しない状況。

原因は、思わぬところにありました。

 

迷うダメ人間

2016年は自分にとって試練の年になりました。

この年は整動鍼・活法を導入して売り上げも急上昇・・・と思いきや、なかなか乗り切れずにいました。

そういう時に限って業務用のエアコンが壊れたり、もう2年乗る予定の車がお釈迦になったりと出費のコンボが直撃。

ある時など、キャッシュが2万円になって笑うしかない状況に。

正月休みの小学生の方が持ってますからねー。

ははは・・。

おほん!

こんな時に自分は何をしてたかと振り返ってみると、

ふなっしーのコスプレして走ってたんですね。

危機感ゼロどころかマイナス。

[speech_bubble type="std" subtype="L1" icon="funassy.png" name="舟橋"] けれど本当は・・ [/speech_bubble]

 

真面目な話、毎日不安で不安で押しつぶされそうでした。

(朝起きたら布団に人型の汗をかいてたり)

しかしこんなこと周りに話しても心配かけるだけなので、平気なフリをするしかないんですね。

(そして、ピンチを脱出したらブログに書く!)

もう一度、自らの手で

この状況を脱出するために、まず取り組んだのは現状認識でした。

名君として名高い徳川吉宗は、将軍になった時に老中(会社でいえば役員)が江戸城に松の木が何本あるか知らないことに驚いたそうです。

鍼灸師である僕も、松の木レベルのデータを細かく洗い出してみる必要がありました。

下がった成績表は見たくないのと同じように、不調の時に経理のデータを開くのは気が重いもの。

重い腰をあげて見てみれば予想通り、ネット経由の新患さんがじわじわ減少していました。

さらに、Google Analytics(サイトのデータを分析するツール)を開いてみると、ハッと気づくことがありました。

webサイトへのアクセスはあまり変わっていませんでしたが、それは変わってないようにみえるだけ。

実態はブログのアクセスが増えて、料金などのページへのアクセスが減少していたのです。

ブログは読まれているけど、肝心の治療院の情報が全然読まれていない・・!

SNSで自分のブログがシェアされたりしていい気になっていましたが、本当に届けたい患者さんに院の情報が届いていませんでした。

スマホの普及で、鍼灸院もネットからの来院がほとんどの時代。

ネットから患者さんが来ないということは、よほどの凄腕でない限り、死を意味します。

早急に、サイトに対策をうつ必要がありました。

また、開院から2年経つと院内に余計な物が増えてきていました。

いつもの間にか自分のプライベートなものが置いてあったり、患者さんにとって関係ない本が見える場所に置いてあったりと公私の区別が曖昧なことに気がつきました。

(これ、意外と自分だけ気づかないんですよね。)

鍼灸院へみえる患者さんはただでさえ不安なもの。

そこへきて僕の趣味である手品のDVDが受付に置いてあるのは、お世辞にも気の利いた配慮とは言えなさそうです。

院内に関しても、対策が必要でした。

捨てよ、さらば救われん!!

現状を打破するのに、まず取り組んだのは断捨離です。

パソコンを再起動する時も、一度開いているファイルを閉じる必要がありますよね。

グリーンノアを再起動する時も、まず不要なものを捨て去る必要がありました。

断捨離その1 院内

トリガーポイント時代は、患者さんに鍼をうった状態で数十分待ってもらうことが普通でした。

そうすると冬は寒いため、体を温めるための遠赤外線治療器が3台も置いてあったんですね。

体を温めるのには十分なんですが、高さ1m超のボディはいささか大きすぎたので思い切って売りに出しました。
(もちろん、代替手段は用意しました)

さらに、トリガーポイント時代は治療時の姿勢にこだわっていた為、患者さんの姿勢を最適化する多数のクッションが置いてあったんですが、もう必要ないので一気に処分。

これによって治療室がかなり広く使えるようになりました。

また、開院時からやっていた人気の美容コースも新規の受付を停止。

美容コースは当院の中では一番高いコースなので、常識で考えたら続けるべきです。

しかし、整動鍼による圧倒的な治療効果を押していきたいと考えている自分にとって、この判断は避けて通れないものでした。

断捨離その2 PC

引っ越して1か月で物に囲まれている、生粋のマキシマリストな僕。

一事が万事、ということでPCの中もファイルで溢れかえっていました。

 

イメージ図

 

これじゃまずいということで、背景を埋め尽くすほどだったデスクトップを整理。

精鋭を選び抜いたデスクトップ画面を眺めていると、心なしか思考もクリアになってきました。

 

断捨離その3 プライベート

小さい頃の夢はゲーム雑誌のライター、というくらいゲームが大好きな子供でした。

(無料でゲームできるなんて最高)

でした、なんて過去形で書いてますが、つい最近までゲームが大好き。

まずいことに、向かい合うべき問題がある時でも、ゲームをプレイして気を紛らわす悪癖がありました。

ゲームだけは断捨離の聖域にするつもりでしたが、寝る前に目を閉じるとゲーム画面が見えた時に

「ゲームしている場合じゃない」

ことに気がつきその場で全てのゲームをメルカリに出品。

大好きなゲームハードを全て叩き売りました。

PS3、VITA、3DSも全て処分。

また、パソコンで信長の野望というゲームをプレイしていましたが、不思議な力が働いてWindowsのネットワークドライバが破損。

2度と修復できなくなった為、プレイすることができなくなりました。
(最近のゲームは、一度ネットに繋がないとプレイできないのです)

ドライバの更新はネットに繋がないと出来ない為、PCがただの箱に。

こうして半強制的に逃げ場を断ち、問題に正面から向き合うことにしました。

フナノミクス 3本の矢

断捨離すると、グリーンノアが抱える問題がみえてきました。

 

  • WEBサイトが患者さんに届いていない。
  • 院の作りが患者さんにとって最適化されていない。
  • 問診や、治療の考え方がまだトリガーポイント式と整動鍼式が混在している。

 

問題が見えてこれば、解決していくのみです。

 

第1の矢 WEBサイトの改変

グリーンノアのサイトはwordpressというシステムを元に僕がカスタマイズしています。

こう聞くと凄そうに見えるんですが、実際はコードやwebのことはたいして分かっていなかったんですね。

 

改変に当たって、業者に依頼する余裕はなさそうなので自力でカスタマイズの道を選択です。

月額2980円でプログラミングが学べるProgateを導入し、サイトに改変に必要なHTML、CSS、PHPを「コードみて意味がわかる程度」に習得。

スマホのヘッダー部分など、どうしてもできない部分はスキルを売買するサービス、ココナラで出来そうな人に依頼。

また、サイトの基本的な構造はコンサルタントの永江一石さんのメルマガで質問し、得た解答をもとに再編しました。

 

第2の矢 院内の最適化

初めて1人暮らしする時って、100均のインテリアとか、絶対いらないものを買っちゃったりするじゃないですか。

さすがに100均のインテリアはなかったものの、開業時に揃えた備品や、会計システムは現在の状況にマッチしてなかったので、見直す必要がありました。

  • 患者さんの着替え
  • 荷物入れ
  • 紹介カード
  • クレジットカード対応

これらをもう一度選び直し、さらに問診票や治療後のアドバイスも根本から見直ました。

 

第3の矢 自身の最適化

サイト、院を変更したら最後は自分を変えるだけです。

トリガーポイント式から脱却する為に、治療前の問診のスキルを再確認する必要がありました。

 

自分1人で鍼灸院をやっていると、問診も我流になりがちだったので、盟友のふくぎ鍼灸院のお二人を相手に問診の練習をさせてもらいました。

自分の問診している姿を友人に見てもらうのは、正直勇気のいる作業でしたが、今はそんなことをほざいている余裕はありません。

どこかの雪の女王以上にありのままの姿を晒し、よくない部分の指摘を受けたら、そこを改良。

 

定着させるためにiphoneアプリで自分の声を録音し、修正していきました。
(やるとわかりますが、地獄のような作業です)

 

アプリを使う一方で、必要以上にスマホの画面を見て時間を浪費しない対策も必要でした。

 

スマホに触らずに過ごすと木が成長するアプリForest

1日にどれだけスマホを触ったか分かるアプリMoment

 

このあたりを駆使することで、無駄にスマホ触って時間を浪費することが減りました。

 

さらに、患者さんに鍼の効果を説明する時の裏付けが欲しいと思い、鍼の血流変化の実験に参加。

自分の鍼の効果を客観的にも把握し、理解を深めました。

関連記事:鍼はなぜ効くの?

「明日から本気だす」が口癖の僕も、「明日やろうは馬鹿野郎」鞍替え。

ピンチに瀕して初めて、本気を出すことができました。

 とにかく1ミリでも前へ。

そんな気持ちで毎日やるべきことをし続けた結果・・・・

奇跡の逆転劇

下降し続けていた売り上げは変動しながらも徐々に回復。

そして2017年には2週目の時点で今までの新患さんの最高を超えるという奇跡が起きました。

美容コースを止めた直後に関わらず、売り上げも昨年の同じ時期の倍。

といってもこれは出来過ぎで、2月は少し下降しましたが、これを書いている3月はまた盛り返してまたしても前年比を更新しました。

(これ書いてる途中で下がったらどうしようと冷や汗でした)

危機を乗り越えた先にみえるものは・・。

長かったシリーズも次で完結です。

次回 進撃の整動鍼(6)  をお送りします。

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