ヘルニアと言われたらどうしたらいいの?鍼灸師が答えます。

      2017/05/29

ヘルニアと言われて

「病院でヘルニアと言われました」

 腰痛の患者さんでこう仰る方はとても多いです。

そしてその次にくる質問は決まって

「鍼でヘルニアは治りますか?」

です。

結論から言うと、鍼でヘルニアは治りません。

少なくとも僕には無理です。

ですが、ヘルニアと言われただけの腰痛・足のしびれは鍼で治る可能性が高いです。

初めての患者さんでいきなりこの話をすると

(何言ってるんだこの先生大丈夫かな😶 )

となりやすいので今日は

ヘルニアと腰痛は別という話をきっちりさせて頂こうと思います。

ヘルニアはどういう状態?

そもそも、ヘルニアは「脱出」という意味のラテン語です。

先ほど例に出したものは正確には腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアと言われるものです。

腰椎(ようつい)という骨

の間にある

椎間板(ついかんばん)というクッション

からなにか飛び出してる状態

が腰椎椎間板ヘルニアです。

lumbar_disc_herniation_02

画像、日本整形外科学会さんからお借りしています。

ちょうどこの図の白い部分が腰の骨(腰椎)です。

椎間板(ついかんばん)というのこの図で言えば線維輪と髄核のことですね。

この髄核が飛び出して神経に触れることで、腰椎椎間板ヘルニアの病態が完成します。

ヘルニアには他にも

・鼠径ヘルニア(脱腸のこと)

・臍ヘルニア(出べそのこと)

・頚椎椎間板ヘルニア(首で起きるヘルニア)

などがありますが、この記事では、特に断りがない場合は腰椎椎間板ヘルニアのことをヘルニアと呼べます。

ではこのヘルニア、一体どんな症状が起きると言われているのでしょうか。

ヘルニアの症状

日本整形外科学会さんのサイトには、ヘルニアの症状として

腰や臀部が痛み、下肢にしびれや痛みが放散したり、足に力が入りにくくなります。

と書かれています。

見やすく箇条書きにすると

・腰痛

・足の痺れ、痛み

・足の筋力低下

・膀胱直腸障害(なぜか書いてなかったので追記)

となります。

ヘルニアはだれにでもありそう

また、興味深いデータとして以下のようなものがあります。

Scottら(9)は 腰痛 、 坐骨神経痛 、神経性肢行 が ない67名 にMRIを行ったところ、被験者 の36%に 核の脱出があり、 21%は脊椎の狭窄が、 そ して20歳から39歳までの被験者の35%において、一椎 レベ ルで変性もしくはbulgingを 認めたと報告 している。

Scott D. Boden et al: Abnormal Mmgnetic Resonance Scans of the Lumbar Spine in Asymptomatic Subjects. The Journal of Bone and Joint Surgery: 72-A(3): 403-408, March, 1990.

早い話、腰痛や足のしびれがない人の36%にヘルニアが見つかった、という話です。

この話からわかるのは、

ヘルニアがあるから腰痛や足のしびれがある→✖️

腰痛や足のしびれがある人の中に、ヘルニアの人がいる→○

ということですね。

神経に異物が触れると・・

とはいえ、実際にヘルニアが神経を圧迫しているケースもあります。

ですが、本当にヘルニアが神経を圧迫していれば、「鍼受けに行こうか・・」なんて思えないはずです。

もしそうなっていたら、


・足に力が入りにくい/入らない

・足の感覚が鈍い/全くない

・尿意や便意を感じにくい/感じなくなる

 

このあたりの症状がじわじわ出てくるはずです。

なぜなら、腰椎から出ている神経の役割がちょうど

 

・足に力を入れる

・足の感覚をつかさどる

・尿意/便意を感じる

だからです。

 

逆にいえば、このあたりの症状が出ていないのに

腰痛や足のしびれだけでヘルニアと判断するのはかなり危険というか、大きな過ちを犯しているように思います。

 

では腰痛や足のしびれは一体どうやって起きているのでしょうか。

この分野は正直まだわかっていない部分も多いため、個人的な推測も混じります。

 

腰痛の原因の85%が不明

信じられないことに、現代医学では腰痛の85%が原因不明と言われています。

そして、85%の原因がわからない腰痛は心の病気として扱うという、すごい話になっています。

もちろん、ここで現代医学の批判はするつもりはありません。

そもそも鍼灸の立場は現代医学で治療が難しいと思われる疾患を治療することです。

早い話、僕らの出番なんですよ。

 

鍼とヘルニア

大昔に人工的にお尻の筋肉を血行を悪くして、「こった」状態にする実験がありました。

この「こった」状態は肩が「こった」のと全く同じ状態です。

この図を見てください。

SCAN IMAGE

「トリガーポイントマニュアル」ジャネット・トラベル/デイヴィッド・サイモンズ著

バツが打ってある部位が血行の悪いこった場所で、赤い部分が痛みやしびれが出ている場所です。

お尻の血行を悪くしたのに、足の方に痛みが出ていますね。

 

どうしても画像が見つかりませんでしたが、似たようなパターンで腰に痛みが出る場合もあったようです。

 

この実験からわかったことは、人間はこっている場所と違う場所に痛みや違和感(しびれ等)を感じることがある。

ということです。

当の本人も、なんとなくお尻が張っている感じがあるので、お尻や股関節の前を拳でトントン叩いたりする方が多いです。

スクリーンショット 2017-01-28 22.08.13

 

 

先ほどの図はトリガーポイントという鍼の治療法の図ですが、トリガーポイントと銘打ってなくても、こういった治療ができる鍼灸院はたくさんあります。

ヘルニアと言われても

・腰痛や足のしびれの症状しか出てない方

・足に力がきちんと入る方

・尿意・便意は異常のない方

こういった方は一度鍼で治療してみるといいですね。

 

補足

最近はへルニアによる圧迫で炎症が起きるのではなく、圧迫に炎症が伴って症状が出ると考えられているようです。

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