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なぜ鍼が逆流性食道炎や機能性ディスペプシア効果があるの?

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   逆流性食道炎や機能性ディスペプシアに鍼が効くのはなぜ?

結論から言うと原因にアプローチできているからでしょう。

ですが逆流性食道炎や機能性ディスペプシアの原因は様々な種類があります。

そこでまず,逆流性食道炎や機能性ディスペプシアの原因を書き出してて

それに鍼が効果がある根拠を話します。

逆流性食道炎や機能性ディスペプシアの原因

原因はいろいろありますが,

・食生活

・ストレス

・胃の動きが悪い

・下部食道括約筋が緩んでしまった

・背中が張っているから(鍼灸)

・知覚が過敏?

などになります。

食生活についてはこちらをご参考ください

ではまずストレスからいきましょう。

ストレス

動物実験でネズミを拘束するとストレスで胃の動きが悪くなります。

ねずみさんは可哀想ですが,科学の発展には犠牲がつきものです。

胃の動きが悪くなったネズミの足三里というツボに刺鍼すると胃の動きがよくなることがわかりました。

科学の認める鍼のチカラ/公益社団法人 日本鍼灸学会

また犬に大音量の雑音聞かせてストレスを与えると,胃の動きがなくなりますが,鍼をすると動きが戻ってるという実験もありました。

ストレスで胃の運動がなくなっても,鍼をすると回復するという話ですね。

また,鍼をうつと幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンの分泌が増えることがわかっています。

科学の認める鍼のチカラ/公益社団法人 日本鍼灸学会

以上のことから,鍼をするとストレスが軽減し,悪かった胃の動きがよくなると言えそうです。

 

胃の動き

胃の動きはについては,もう一つあるんですね。

胃の働きをみるのに胃電図という道具を使います。

余談ですが,この胃電図がもうレンタルしていなくて困ってます。

こちらをお持ちで一緒に実験してもいいよ!という神様のような方をお待ちいしてます。

で胃電図なんですが,内臓を動かすのは神経で,神経は電気信号を伝えているので,その電気信号を読み取るのが胃電図です。

吐き気などがある方は胃電図が乱れる傾向にあったんですが,鍼をうつと胃電図が改善されると共に症状も改善された。

また胃潰瘍などの胃酸分泌過多の症状に鍼+通電すると症状が緩和するという報告も多数あったようです。

野口栄太郎/今井賢治/角谷英治/川喜田健司

「内臓痛・消化器機能・消化器症状に対する鍼灸の効果」全日本鍼灸学会雑誌51巻4号

下部食道括約筋が緩んでしまった

下部食道括約筋とは,胃と食道の間をある筋肉で,胃の中の食べ物が食道に逆流しないように働く筋肉です。

逆流性食道炎はその筋肉の働きが弱いと言われています。

手術でその部分を強くしめる方法もありますが,今回鍼でその力が戻るという話が最近出ていました。

英語なのでわかる範囲での理解ですか,参考になれば幸いです。

Acupuncture Reverses Acid Reflux Disease After Drugs Fail

 

背中のこり

いつも話しているんですが,胃の症状がある人は背中がこっているんですね。

これは実験でも似たような結果が出ていて,

機能性ディスペプシアの方はそうでない方とくらべて圧痛が認められた

というのがあります。圧痛いうのは押されると痛かった,ということですね。

さらにここからが重要ですが,背中に鍼をすると胃の血流が上がる,というのがわかりました。

とても興味をひく論文ですよね。

やや飛躍して考えれば,背中が胃の働きに関わっていて,鍼でそのあたりをコントロールできる,と言えるかもしれません。

伊藤 剛「鍼灸医学的アプローチによる機能性消化管障害の解明とその治療 -機能性ディスペプシアについて-」

上原記念生命科学財団研究報告集, 25 (2011)

知覚過敏

知覚過敏ってよく歯磨き粉のCMでよく耳にしますが,なにも口の中だけに起きる話ではありません。

全身でおきますし,胃や食道でも起きると考えています。

こう思う根拠の1つは胃カメラなどで検査しても異常が見つからない逆流性食道炎の方が多いからです。

最近ではお医者さんの中にも胃の知覚過敏が逆流性食道炎や機能性ディスペプシアの原因の1つではないか?とかんがえる人も出てきました。

実際にお風呂に入ってるとき,なにかに集中している時は感じない,など,知覚が影響を受けそうな環境では一時的であれど症状を感じない人も多いです。

病名は異なるのですが,糖尿病で知覚が過敏などの症状に鍼が効果があったという論文がありました。

正直,どの程度これが逆流性食道炎や機能性ディスペプシアに方に関わってくるかわかりませんが,胃カメラで異常がない人けど症状がある人にとっては,希望がある話なのでは?と思っています。

粕谷 大智 「大学病院における鍼灸治療の実際 ―糖尿病性神経障害に対する鍼灸治療」
<シンポジウム(3)―8―2>神経内科診療における鍼灸活用の可能性を探る ―神経科学を背景とした医療技術として鍼灸を捉える

逆流性食道炎や機能性ディスペプシアに鍼が効くのはなぜ?の考察

鍼がなんとなく逆流性食道炎や機能性ディスペプシアに効果的なのはわかっていましたが,こうして並べてみるとかなり根拠がありますね。

原因さえ特定できれば,答えにたどり着けそうです。

こちらでも研究をして,どんどん改善する人を増やしていきたいですね。

 

 

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