医学書買うのはギャンブル
学生時代ずっと思ってましたが、学校の教科書の内容って一体どうやって決まっているんでしょう?
学校で購入した医歯薬出版の教科書は、悪い意味で歴史の重みを感じさせてくれました。
(特に解剖の教科書の作りはどうかと思います、今は違うのかも知れませんが)
そんなこんなで、必要だと思う知識は他の本で補う訳ですが、どれも高い。。
(立地的に名古屋駅の三省堂さんや、鶴舞の大竹書店さん(学割あったハズ)に足繁く通っていました。)
そうまでして買った本の中にも当たり外れがあります。
自分の欲しかった内容と違うのは自己責任ですが、思ったより内容が薄かったり、訳書で日本語が崩壊していたりすると、「高い授業料を払ったな」と簡単に割り切れなかったりします。
学生にとっては1冊5000〜数万円はする医学関係の本はとても効果な買い物です。
良書を読むための条件は、悪書を読まないことである。ーショーペンハウアー
そこまでして買った本も、読まなければ積ん読…そして平積み、最終的に本棚の端っこという定位置を獲得してしまったりします。
それは本にとっても、そして読者の方にとっても不本意なはずなので、ここで僕の蔵書の中でも、よく開かれる=価値の高い本を紹介させて頂きます。
鍼をうつ人
ご存知、鍼100本の方です。
東京で開業されてみえ、タモリさんや加賀まりこさんが通われている鍼灸院としても有名。
この本は確か、専門学校入る直前に地域の図書館(いつも延滞していてすみません)で、借りた気がします。
治療の内容が書いてあるわけではありませんが、氏の学生時代のエピソード、
「集中力を鍛える為、電車がトンネルの入ったら目を閉じ、抜けたと思った瞬間に目を開けて確認した」
「教科書の通りにやって治るなら、読みながら治療すればいい。実際はそんな風にはならない、なんだこんなものって、教科書に鍼刺してました」
(↑記憶を辿って書いているので、多少の間違えはお許し下さい)
年に何週間か、治療院を閉めて海外へ鍼治療の旅へ出かける。そんな大時代的なカッコよさと、本からも伝わって来る気迫。
一読をオススメ致します。
[amazonjs asin="4998068628" locale="JP" title="骨格筋の形と触察法"]
自分の所持してるのは改訂される前の本ですが、「被検者の姿位」「骨度法をもとにした補助線の引き方」「御献体の詳細な写真」「多層的な筋を一枚一枚剥いで見せてくれる親切さ」
これらが相まって、価格以上の価値のある本となっています。
臨床家のためのトリガーポイント・アプローチ―鍼療法と徒手的療法の実際
1999年の本なので、今となっては古い部分もあるのかもしれませんが、この本はトリガーポイントの基礎知識以外はもちろん、治療の際のちょっとしたムンテラレベルのテクニックも記載されており、これがとても役に立ちます。
今現在は危険な為行っていない治療方法も記載されているので、ご購入の際はご注意下さい。
頭痛・めまい・しびれの臨床 病態生理学的アプローチ
自分の師匠がオススメしてくださった本です。
鍼灸院で対処出来ない種の頭痛、すぐに病院を紹介しないと不味いケース、病体が基礎医学にのっとって紹介されている良書です。
teamLabBody-3D Motion Human Anatomy
すごいアプリの紹介です。
iphone/ipad対応の優秀な人体解剖図アプリ、teamLabBody-3D Motion Human Anatomyです。英字ですが、アプリ内は日本語なのでご安心を。
まず3Dの人体図を指で簡単に拡大、縮小、自由に回転できます。これだけでもう本を超えてます。
さらに、骨格、筋肉、動静脈、神経を個別に表示・非表示・半透明に出来てしまいます。
なので、坐骨神経の位置を確認するために、表層の大殿筋を非表示にし、さらに梨状筋を半透明にすることで、坐骨神経の走行を梨状筋越しに確認する、なんという芸当も出来てしまいます。
2014年3月現在、3000円の価格です。アプリとしては高めですが、医学買うと思うとかなりお買い得なのではないでしょうか。
teamLabBody-3D Motion Human Anatomy
https://itunes.apple.com/jp/app/teamlabbody-3d-motion-human/id593042008?mt=8
日々変わり続ける
調子に載って医療系の本を5冊ほど紹介させて頂きましたが、実際は様々な分野の本を乱読しています。
人間の細胞は日々生まれ変わっています。
現状を維持しているように見えても、身体の中は常に新陳代謝が行われているんですね。
寧ろ、そうして変わり続けていないと、現状を保つこともできないのが人間という生き物なのかもしれません。
自身の知識も、日々古くなっていきます。
もちろん基礎分野は変わりませんが、治療スキルや最新の医学知識は日々新しくしていかないと、古くなる一方です。
有意義な第二弾を紹介できるよう、日々頭の中の新陳代謝も活発にしていきたいと思います。