2周年を迎えて
2017年の2月14日で、グリーンノアは開院2周年を迎えることができました。
3年で70%が廃業すると言われているこの世界で、2周年を迎えられるのは本当に有難いことです。
しかし、この2年間はピンチの連続で笑うしかないものでした。
・開院してすぐ、自分の行っている治療方法を信じられなくなった。
・返済プランを完全に間違えて資金繰りで死にそうになる。
・もっとも苦しい時期に業務用エアコンと車がお陀仏に。
もちろん、もっとヘヴィな状況をくぐりぬけた人もいますよ!
ただ、「今までローンすら組んだことがない」「店長や院長などの経験が一切ない」
そんな温室育ちの僕にとって、借り入れを返済しつつこれらの危機を乗り越え、治療院を経営していくのはなかなかハードな体験でした。
正直、もうだめだ・・・と思う時もありましたが、良い患者さん、良い仲間に恵まれてなんとか2周年を迎えることができました。
今回は、そんな開業〜2周年に至るまでの物語をエヴァンゲリオン風のタイトルでお送りしたいと思います。
題して「鍼世紀 フナンゲリオン」・・・だめ?
無謀な開業
2年前の開業の時を思い出すと、ブルッと背筋が寒くなりますね。
今よりも治療スキルは低く、鍼治療の右も左もわかっていない状況での開業でした。
開業当初に来てくれた患者さんたちのこと思い出すと、手を合わせたくなります。
店舗経営についても無知識もいいところ。
本来は院の設計などをしっかりやるべきでしたが、
「技術があれば流行るだろ」とタカをくくり、居抜き物件にたいした改装もせずに開院。
さらに開院日に準備が間に合わなくて前日ほぼ徹夜、それでも足りないものがたくさんある状況でした。
(こんなんでもなんとかなると思わないでください。僕は運が良かっただけです。)
院の名前グリーンノアの由来も、
表向きは「グリーン=緑」と「ノア=辛い症状から逃避するノアの箱船」というものでしたが、
実のところは僕の好きなアニメ「Zガンダム」の主人公カミーユ・ビダンが生まれた場所「グリーンノア」から取ったという信じがたいものでした。
(これはこれで、「物語が始まる場所」という意味を込めています。ちなみに一番好きなキャラはジェリド)
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お金、大事
鍼灸師にとって一番大切なものはなんでしょう?
人柄?技術?はたまたトーク力?
どれも大切ですが、開業時の僕にとにかく足りなかったのが算数の知識でした。
開業時にまとまったお金が必要だったので、生まれて初めて銀行で融資を受けました。
融資を受ける前の面接で、売り上げ見込みや開業への意志の強さなどをしっかり聞かれます。
なんとか面接を終え、無事に審査を通過すると後は返済するペースを選ぶだけです。
ここで現実を分かっていなかった僕は「とにかく早く返した方が得だ」と思い、銀行員さんの制止を振り切って高卒初任給程度の額を毎月返済するペースを選択。
家賃+返済
さらに、院や自分への投資。
そして自分の生活費
開業してからこれらの数字を計算し、震えました。
足し算引き算で考えるとどう考えてもマイナスの公算が大きいものだったからです。
悲しいかな、僕には算数の能力すらなかったのです。
今ならば返済ペースを緩やかに設定し、その分を院や自分へ投資するんですが、小学生のお小遣い帳レベルの金銭感覚だった僕にそんな思考はなかったんですね。
技術への投資=学びをやめるつもりはなかったので、完全にやるしかない状況になりました。
低い全力
よくドキュメンタリーなどで大企業の創業者が、「開業時は寝る間も惜しんで働いて」とか「何度も徹夜して」なんて言いますよね。
ああいうの見てて、「自分も開業して店持ったらそうなるんだろうなあ」って漠然と思ってましたが・・。
普通に夜眠くなりますからね。
いままでと全然変わらない。
もちろん、やることはたくさんあるので仕事終了後も院にいるんですが、
(きちんと寝ないと明日のパフォーマンスに影響するな??)
とか
(明日の空いた時間にやる方が効率的やんけ)
とまあ、言い訳ばかり並べて普通に帰宅。
そんな日々を送っていても、開院して数ヶ月は患者さんに恵まれて順調な日々を過ごしていました。
しかし、そんなゆるい開業ライフはいつまでも続きませんでした。
次回は 進撃の整動鍼(2) 技術の選択を です。