ストレートネック
「ストレートネック」で検索すると、「ストレートネックの治し方」「タオルを使ってストレートネックを治す」なんて記事がざくざく出てきます。
読んでみると「とにかくこの枕を買いましょう」とか、「とにかく正しい姿勢で座りましょう」とか書いてありますね。
むむむ・・、これじゃストレートネックは治らないよ。
そもそも、骨格の問題であるストレートネックを自力で治すのは不可能に近いんです。
そして、こういった対処法は「なぜストレートネックになるのか?」という原因についてもノータッチですよね。
今回は
・なぜストレートネックになるのか?
・家でできる(ある程度の)対策
・治療のビフォーアフター画像
をお送りしたいと思います。
ストレートネックとは
調べれば調べるほど、ストレートネックの定義は曖昧です。
まずストレートネックは正式な病名ではありません。
猫背・なで肩のような俗語と思ってください。
一応、頚椎一番の7番を結んだ時にできる角度が30度以下だとストレートネック・・なんて情報もあるようですが、出処が怪しいので今回はスルーします。
▲こんな定義もあるようです。
ストレートネックとは、頚椎(首の骨です)のカーブが少ない状態のことをさしているようです。
カーブが少ないってフレーズでピンとくる人は稀だと思うので、こんなものも用意しました。
▲右側が、頚椎(首の骨)のカーブが減った画像。
右の画像がストレートネックの状態を再現したものですが、猫背以外の何物でもありませんね。
ストレートネックと聞くと首の骨がいきなりまっすぐになってしまう重い病を想像してしまいますが、要は姿勢が悪い状態が続いた結果、首のカーブが減った状態ということです。
なぜストレートネックに?
重力、脊柱の構造を考えると原因は
・猫背であること
・頭の位置が重心より前方に位置する状態が続くこと
と言えそうです。
試しに胸を張ったいい姿勢をしてみてください。
この状態からストレートネックのように頭だけ前に倒した状態でいることって難しくないですか?
逆に猫背になれば自然と頭も前へ倒れてきますね。
恐らくですが、ストレートネックは猫背の人しかなりえないと思われます。
ストレートネックの人に多い症状
猫背+ストレートネックの姿勢は、首の筋肉にとっては不自然に伸ばされた状態となります。
こうなってくると、つねに首がこった状態になるので、様々な症状が出てくる可能性があります。
頭痛、偏頭痛、首がこる、肩こり、頭がふわふわする感じ、やたらと目が疲れる、急に涙が出るなど。
※同じストレートネックでも症状が出る人、出ない人と差があります。同じもの食べてるのにお腹壊す人もいれば平気な人もいますよね?
ストレートネックをこれ以上ひどくしない方法
ソファはやめよう
ソファー業界の皆さまには失礼しますが、ストレートネックの方がソファを使うのはあまりお勧めしません。
僕なら、同じ座るものでもソファより椅子をお勧めします。
ソファと椅子の違いはなんでしょう?
ソファは沈みますが、椅子はほどんど沈みませんよね?
沈んだ方が、ソファが体全体に包まれるので気持ちいいんですよ。
ですがストレートネックの方はそうも言っていられません。
この図をみてみましょう。
左が椅子に座っている人、右がソファに座っている人です。
こうして比較してみると、ソファは椅子に比べて沈む分、顔が天井を向いてしまいますね。
しかし天井をみてるわけにはいかないので、やや下を向くことで視点をまっすぐにするしかなくなります。
もっとひどいとこんな人も・・
だんだん前へずり落ちてきた姿勢です。こうなると、首やお腹周りに多大な負担がかかります。
図でみると冗談みたいな姿勢ですが、中年男性は家でこんな姿勢してる人が多いですね。
「頭痛持ちでたまに頭がふわふわして、お腹の調子がわるい」みたいなケースの方、おうちでこんな姿勢してませんか?
もちろん、こんな姿勢では天井しか見えないので、首をぐっと下に下げてテレビやスマホを見ることになります。
そうなると、首への負担はさらに増加。
いまソファに座っている方は試しにこの姿勢をとってみてください。
とてもきついですよね?
しかしソファで体が包み込まれているので、なかなかこの姿勢から脱出することができなくなります。
ソファでいい姿勢でいるのは、かなり難しいので、ストレートネックでお悩みの方はソファから椅子に変えましょう。
ちなみに床に座るのは股関節への圧迫が強いので、特に腰痛持ちの人は避けた方がいいです。
スマホを見る角度に注意
日本人が1日にスマートフォンに触れる時間が3時間前後という恐ろしいデータがあります。
スマホそのものは生活必需品ですが、首への影響はかなり大きいです。
この図を見てみましょう。
首の角度と首(頚椎)への負荷をDr. Ken Hansrajの調査した結果が上の図です。
1番ひどい60度の角度の時は、小学3年生が頭に乗ってるのと同じ負荷がかかってることになりますね。
そりゃ首も痛くなります。
ストレートネックがより悪化するのは明らかなので、ぜひともやめて頂きたいですね。
うつ伏せで寝るのは避けよう
少し前に、うつ伏せ寝は「体にいい」という本が売れていましたが、やめた方がいいですね!
うつ伏せで寝る場合、首を左右どちらかに向けた状態になりますが、その姿勢が首にとって負担が大きいです。
「動物は皆、うつ伏せで寝ているからうつ伏せ寝がいい」という根拠のようでしたが、二足歩行の人間と四足歩行の動物では楽な姿勢が違いすぎます。
人間がうつ伏せで寝られないというより、動物が仰向けで寝られないだけの話ですね。
試しにうつ伏せで寝てみるとわかりますが、首をずっと横に向けてるのは辛いですよね。
まとめると、
・ソファよりは椅子にする
・スマホを見る角度に注意
・うつ伏せで寝るのは避けよう
ストレートネックでお悩みの方はまずこの3つを実践してみてください。
ストレートネックの治療前後の写真
さて、ここまではこれ以上悪くしない為の対策を紹介しました。
残るは猫背の対策ですね。
これだけは自力でやるのは難しいと思われます。
当院では首を直接施術せずにこんな結果を出せます。
首を触っていませんが、ここまで違いがはっきりでます。
※場所が野外なのは、外で急遽頼まれた為です。基本的にどこでも可能です。
「家でたった3分!ストレートネックがあっという間に治る方法」とかあれば喜んでブログにするのですが、こればかりは難しそうです。
歯医者さんも、虫歯の予防方法は教えてくれても、治し方までは教えてくれませんよね?
なる前の対策と、なってしまってからの治療法は根本的に異なります。
なってしまったら、プロによる治療が当然必要です。
色々試してもダメだった方、あっという間に治療は終わるので、流しそうめんの”ザル”に飛び込む気持ちで当院へお越しください。