長引く咳と逆流性食道炎
咳の原因は通常は風邪などの呼吸器系の病気の場合が多いです。
ところが,逆流性食道炎の方の13%が慢性の咳で悩んでいるというデータがあります。
胃や食道の症状なのに咳が出る理由は,反射です。
この話を進めるには少しだけ体の仕組みをお伝えする必要があります。
僕たちは口から食事をとるだけでなく,呼吸をします。
食事は食道を通って胃へ,呼吸は気管を通って肺にいきます。
ノドの奥で食事と空気の分岐点があるんですね。
この分岐がたまにうまくいかなくて,食事が気管に入ってしまうことがあります。
たまに飲み物や食べ物でむせて咳が出るときがありますよね?
このむせる現象がそれにあたります。
逆流性食道炎の話に戻りますと,逆流した胃酸が食道を通って気管に入り,咳が出ます。
風邪による咳であれば1〜2週間で治りますが,胃酸が原因の場合は長引くことが多いです。
なぜなら胃酸の逆流という原因が治らなければ,咳も出続けるからです。
逆流性食道炎による咳の見分け方
- 咳が3週間以上続いている
- 胸焼けや口の中が酸っぱい症状がある
これらの場合は逆流性食道炎による咳の場合が考えられます。
特に病院で検査しても原因がわからない,喘息と診断されて治療するも経過が思わしくないなど,逆流性食道炎の可能性が想定されていない場合もあります。
咳の症状は横になっていると出やすいので,不眠の原因にもなったりします。
咳の治療と鍼
咳の原因が逆流性食道炎の場合,逆流性食道炎の治療を行います。
咳の発作が強く上むきで寝ることが難しい場合は座って行うことも可能です。
その場合はご相談ください。