鍼灸院はぎっくり腰だらけ!?
鍼灸院をやっているとぎっくり腰の患者さんがよくみえます。
鍼のイメージが
「いざとなった時にいく場所」
「流しそうめんのザル的存在」
なイメージがあるので、重症化してからみえる方が多いです。
本当は、そうならないよう日頃のメンテナンス的に通うのがオススメです!
ぎっくり腰とは
ぎっくり腰は急性腰痛の意味で、急に腰が痛くなった状態を指すだけです。
実際に腰がどうなってるかは診てみないとわかりません。
それこそ骨折や脊髄腫瘍など、鍼灸院ではなく病院へ行くべきものもありますが、
ほとんどは筋肉/筋膜の問題=腰や股関節周囲の筋肉が張ってる状態です。
今回は筋肉/筋膜の問題として考えます。
ぎっくり腰のコスパいい治療方法は?
「ぎっくり腰になってから」治療するよりも、
「ぎっくり腰になる前に」治療した方がコストも少なく、痛みも少なく済みます。
↑コレ、とっても重要です。
ぎっくり腰予防のアドバイス
ぎっくり腰の人へのアドバイスとしてよく耳にするのが、「重いものを持たない」とか「長時間の運転は避ける」というものがあります。
確かに一理あるんですが、これだと「火事を防ぐために火を使うのをやめましょう」というアドバイスに近いものがあるんですね。
実際は火を使わないのではなく、「火を使っても大丈夫な状態にしておく」のが理想ですよね。
引っ越し業者さんが重いもの持つなと言われても困るし、タクシーの運ちゃんに長時間の運転は・・というのは、なんだが大事なことを無視したアドバイスに感じます。
ぎっくり腰に対して治療をすることが攻めなら
腰痛になりにくい生活をするのが守りです。
「日頃から運動しましょう」みたいな薄いアドバイスは、掛け声だけで終わります。
そこで!
今回はちょっと生活を見直すだけで腰痛になりにくくなるものを紹介します!
ぎっくり腰の対策
同じ姿勢でいない
人類の身体の欠点は、動かないとドンドン機能低下することと、血流も悪くなるので、結果、体のあちこちが痛くなることです。
「日頃から運動しよう」が難しい人は、動きまわらなくていいので、ずっと同じ姿勢でいないようにしましょう。
日本人の健康を守る組織、厚生労働省も平成14年にこんな アドバイスを出してます。
近年、マイクロエレクトロニクスや情報処理を中心とした技術革新により、IT(情報技術)化が急速に進められており、VDT(Visual Display Terminals)が広く職 場に導入されてきたことに伴い
(中略)
VDT作業を行っている作業者のうち、精神的疲労を感じているものが36.3%、身体的疲労を感じているものが77.6%にも上っている。
出典:VDT作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて
要は、パソコン仕事してると疲れやすいし、結構その問題が深刻ですよ、と
対策はこう提案されてます(意訳)
・1時間以上続けて作業しないでね。
・1時間作業したら、10〜15分休憩してね。
・作業中は頻繁に休憩してね。
う〜ん、こんな恵まれた環境の人が果たしてどれくらいいるのか謎ですが、ここまででなくとも、1時間ずっと座りっぱなしはマズイってことは言えそうですね。
足を組まない
足を組むと骨盤が歪む,というのは非現実的です。
なぜなら,そのくらいの刺激で骨盤が歪んでしまうなら、恐らく治したとしてもすぐ元に戻ってしまうでしょう。
足を組むとマズイのは、組むと「自身の荷重が片方の股関節に掛かるから」です。
動かないのも体に良くないですが、自身の体重が1箇所に集中してかかるのはよくないですね。
床生活を避ける
床生活と聞くと一休さんたちが浮かんできますが、まさにあれです。
意外と姿勢の悪い一休さん
「飲み会が座敷席で腰が痛くなった」
「正月休みで実家でゴロゴロしてたら腰痛に」
なんてパターンはよくあります。
固い床でお尻の筋肉が圧迫されると,血流が悪くなり痛みに繋がりやすいです。
対策は椅子に座るよう気をつけるだけなので、比較的簡単だと思います。
(よく欧米人は腰痛が少ないって話を耳にしますが、この辺りが理由な気がします)
おまけ
こういう話になると、ストレッチはいいですか?とよく聞かれます。
ストレッチそのものは効果があると思いますが、「キチンと正しく」やらないとかえって痛める可能性もあります。なにかを始めるより,なにかをやめる方が重要な場合もあります。
ぜひお役立てください◎