寒さと冷え
1月24日・25日と院を休ませて頂き、北海道で実験に参加して参りました。
その辺りのレポもしたいんですが、まずは見てください。
マイナス13度の世界・・!
ホットコーヒーが5分でアイスコーヒーに変わる極寒の地です。
そして2018年は北海道はもちろん、日本全国めちゃくちゃ寒いんですよね。
そうなると気になるのは手足の冷え。
冷え性の人は冬眠したくなる季節です。
知人の自称冷え性クイーンなど、マスク+耳あて+ヒートテック重ね着+手袋重ね着というミイラのような格好になっていました。
他にもホッカイロ、ネックウォーマー等、冷え性対策はたくさんありますよね。
冷え性対策と治療
でも、ちょっと待ってくださいよ!
今あげた方法はどれも体温を逃さない「対策」ですよね。
もちろん、対策もきっちりやれば効果があります。
手袋やネックウォーマーで対応が逃げないようにすると、かなりの保温効果が期待できそうです。
体内で産生された熱が全く体外に放散されないと仮定すると、われわれの体 温は1日で70~80℃ にまで上昇する.
ヒトの体温調節/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/senshoshi1960/44/5/44_5_256/_pdf
では同じ格好でも冷える人とそうでない人がいるのはなぜでしょう?
この分野も色々なデータが出ています。
結論から言えば、
・若者・やせ型には冷え性が多い
・規則的な食事をしてるかどうかは関係なし
・肉類、魚類が嫌いな人ほど冷え性にある傾向
若年者,やせの者に有意に多い。喫煙習慣、仕事が立ち仕事か座り仕事か,ダイエット経験,食事が規則的かどうかと,冷え自覚の有無には差はなかった
成人女性の冷えの自覚とその要因についての検討/今井美和
冷え症の者は比較的肉類,魚介類,卵類 などの動物性タンパク質食品を好まず不足している傾向
女子大学生における冷え症と食習慣との関連/大和孝子
やせ形の若い女性で肉類や魚類などのたんぱく質が不足傾向の人ほど冷え性になりやすい、という話でした。
ふむふむ。
ダイエットはしてないつもりでも、たんぱく質が不足してる人ほど冷え性傾向というのは面白いですね。
関連記事:1週間,体を冷やす食べ物「だけ」食べ続けたらどうなるの?
この記事書いてて確信しましたが、「体を冷やす食べ物」って迷信じゃないかと思います。
冷え性には運動?
本屋に行けば、
「寝てるだけで痩せる」「食べても太らない方法」など、ドラえもんが裏で動いてるかと錯覚するような売り文句が押し寄せて来ます。
もしも寝てるだけで痩せてたら、ライザップをはじめとした世の中のジムは壊滅するでしょう。
冷え性もそうです・・と言いたいところです。
が。
運動習慣と冷え性については、それだけで数記事かけそうなくらい壮大なテーマなので、ここでは割愛します。
理論上は運動した方が代謝もあがって冷え性も改善しそうなんですが、それを証明するデータがないんですよね。
対策ではなく、改善を見込むには
冷え性対策ではなく、改善を目指すにはどうしたらいいでしょう?
可能性のひとつとして鍼があります。
2週間ほど鍼治療を受けた患者さんのサーモグラフィーを見ると一目瞭然ですね。
鍼治療をすると血管を拡張する物質CGRPが分泌されるので、患部の体温が上がると考えられます。
僕の院では「冷え性」を治療対象としていませんが、別の症状で来院している患者さんから
「治療後は体が暖かい」
「最近足が冷えにくくなっていきた」
という声はよく聞きます。
「暖房かかってる部屋にいれば体が暖まるのが自然かな」
と思っていましたが、色々なデータを見てると鍼の効果としか考えるのが自然そうです。
色々試したけど効果がない、なおかつ肩こりや腰痛の症状でも困っている
そんな人は鍼をやってみる価値があると思います。